2007年10月03日

企業取材の仕方10

さて、
社長とのアポが取れました。
次にすることはなんでしょう。

予習、準備が大事です。
取材に向けて、
その企業と社長のことをしかりと調べましょう。

準備は入念にやればやるほどいいです。
理想を言えば、
下調べだけで記事がかけてしまうくらいにしておく。
そうすれば、取材の時にはすでに
頭の中に記事の骨格ができあがっている
わけですから、
質問事項も明解になっているはずで、
余裕で取材に望めます。

準備をきちっとしていれば
的確な質問ができます。
ところが準備が不十分であると
質問にもそれが表れます。

取材される社長は
「この記者はどれくらいうちのことを勉強してきたのか。
どれくらいうちの会社を理解しているのか」
と思っているので、それはすぐにわかります。

そうすると、
「これくらいは言わなければいけないかな」
と思っていたことでも、
相手が勉強していないとわかれば
言わないで済まします。
つまり、なめられるのです。

中には
「そんなことも知らないでうちに来ているのか」
と、はっきりと言う社長もいますが、
大概は何も言いません。
何も言わないけれども、心の中では思っているのです。

鋭い質問をして
「この記者は手ごわい。よく知っている」
と思われるくらいでなければいけません。
そう思われたら、社長のほうも
突っ込んだ話をしてくれます。

そのためには準備を入念にすることです。

入念な準備をして
質問事項を10ぐらいメモしておけば
あとは、大船に乗ったつもりで
取材に臨みましょう。

さあ、いよいよ本番です。
次回は、取材中のあれこれについて
お話しましょう。
タグ:企業取材
posted by 高橋範夫 at 09:58| Comment(1) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月21日

企業取材の仕方9

著名な媒体の記者でなければ
有名企業の社長には会えないかというと
そんなことはありません。

きちんとした取材依頼書を出せば
かなり高い確率で会ってもらえます。

なぜかといえば
メディアの取材というのは
企業にとっては無料で広報できる
願ってもないチャンスだからです。

無料できちんとした記事を書いてもらえたら
こんなに嬉しいことはないのです。

もちろんお金を払って出す広告記事では
ありませんから、何を書かれるかわからない
というリスクはあります。

けれどもうまくいっている企業の場合は
その心配もないので
忙しい社長も時間をとってくれるのです。

その意味ではメディアの記者ほど
会いたい人に会える職業はありません。
本当に会いたいと思えば
会えない人はまずいません。

これは記者に限らず
世の中の真理だと思います。

そもそも誰でも「会いたい」と言われて
悪い気はしないのです。

その人を認めているからこそ
会いたいわけですから。

2度や3度断られても
諦めないことです。
4度、5度と熱意を持って面談を申し込んで
断り続ける人がどれだけいるでしょうか。
普通は、それだけ言うなら
会いましょうかとなるものです。

会えない理由は相手にあるというより
本当は自分にあるのです。

最初からこんな人には会えるはずがないと
自分で壁をつくってしまっているケースが多いのです。



posted by 高橋範夫 at 10:35| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月18日

企業取材の仕方8

アポイントを取る

資料を調べて、
ここはおもしろそうだ、大丈夫そうだ
となると、アポイントをとります。

その前に
編集部というのは組織ですから
編集会議という関門があるケースが
多いです。

そこを通過してはじめて
アポとりになります。

基本は電話とFAXです。
あるいはメールも最近多くなっています。

いずれにしても
電話一本では、初めての会社の場合は特に
企画や趣旨などが伝えにくいので
取材意依頼書をFAXします。

そこにどういう雑誌の
どういう記事であるか。

記事の趣旨、質問したい内容
取材の希望日時、締め切りなどを
できるだけ詳しく書きます。

そして大事なのは
社長もしくは会長に会いたいと
依頼することです。

社長と会長がいる場合
実権を握っている方に会います。

基本は社長ですが、
会長が創業経営者で圧倒的な
力を持っていて、社長はその片腕にすぎない
という場合もありますから、そこは注意です。

そういう場合は会長と会わなければ意味がありません。
なぜかというと、
実際にその会社を動かしている人の
話でなければ情報の信頼性が薄いからです。

実権を持っていない人に
2年後、どんな展開をしたいかなどと聞いても
答えられませんよね。

けれども、圧倒的な力を持って
実際にその会社を動かしている人が
2年後、こんなことをしたいと言えば
それがそのままニュースになるのです。
つまりニュースというのは
権力者の頭の中にあるのです。

だから記者は
一番権力を持っている人に会わなければ
ならないのです。

こういうときに有利なのは
有名な大手マスコミです。

日経新聞社です、日経ビジネスですと
言えば、詳しい説明はいりません。
簡単にトップに会えます。

日経ビジネスの「敗軍の将、兵を語る」
のような記事以外は、
どこでも大歓迎でしょう。

電話一本で、たいがいの企業の社長に会えます。

弱小メディアの場合はそうはいきませんから
できるだけ丁寧に媒体の説明
取材趣旨の説明をしなければなりません。
タグ:社長
posted by 高橋範夫 at 10:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月13日

企業取材の仕方7

資料を読めば
その会社の事業内容、沿革
経営理念、社長の考え方などは
おおよそわかります。

ここで忘れてはならないのは業績、
特に直近の業績です。

上場企業であれば
開示義務がありますから
一発でわかります。

わかりにくいのは非上場会社です。
売上高は出しても利益を
出していなかったりします。

「今期の利益はいくらですか」
と面と向かって聞いても、
言いたがらない社長が多いです。

一つには少なすぎて、あるいは赤字だから
言いたくないというのはあります。

もう一つは税金対策などで
いろいろ調整しているから
数字を出されるのが困るというケースもあります。

このあたりが
上場会社と非上場会社の違いです。

しかし、経済記者として取材に行って
利益の額も聞けないで帰るわけにはいきませんから
ここは何とか食い下がって
聞き出さなければいけません。

「だいたいでいいですから」
「○○万円くらいですか」
とか、こちらから金額を言うなどして
概算でもいいので聞き出します。

また、資料調べの段階で
赤字であれば
特段の理由がない場合
取材の申込はしません。

スキャンダルを追う目的ではないので
業績の悪い企業を取材しても
(目的があるなら別ですが)
しょうがないのです。

黒字で伸びている会社はたくさん
あるわけですから、
そういう企業を選んで取材するのが王道です。
posted by 高橋範夫 at 12:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月11日

企業取材の仕方6

話が横道に逸れましたが、
企業取材の仕方というのは
それほど難しいものではありません。

まず、
1 資料を調べる。

一番簡単で最初にやるのは、
その企業のホームページを見ることです。

最近はIRに熱心な企業が増えてきているため
ホームページだけでも事業内容から
財務情報まで相当詳しくわかります。

ただホームページだけだと
自社に都合の悪い情報は載せないですよね。
そこで客観的な視点からの情報を得るために
過去の新聞記事、雑誌記事などを調べます。

ここで威力を発揮するのが
日経テレコン21です。

http://telecom21.nikkei.co.jp/nt21/service/

これは会員制の有料サービスですが
記者にはなくてはならないものになっています。

日経新聞の過去記事だけでなく、
読売、朝日、毎日、産経などの主要新聞から
日経ビジネス、日経ベンチャー、その他雑誌の
過去記事が取り出せます。

けっこうお金がかかりますが、
仕事で使うのですから、必要なものです。

ある程度の企業であれば
過去1年間の記事を検索すると
かなりの数が出てきます。

逆に無名のベンチャーであれば
ほとんど記事がない場合もあります。

ニュースの量は企業によりさまざまです。
ニュースが多いか少ないか
それもまた情報です。
タグ:企業取材
posted by 高橋範夫 at 09:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月07日

企業取材の仕方5

三木谷社長は自分の力でも十分成長できた経営者だとは思うが、
ITバブルがそれを許さなかった。
いきなり高いところに引っ張り上げられたのです。

運も実力のうちですが、いきなり万馬券どころか、
億馬券を手にしたようなものです。

2000年秋、再び楽天を取材した時は
何もかもが変わっていました。

オフィスは中目黒の川沿いにあるビルになり、
「rakuten.co.jp」の巨大な棒状の看板を立てていました。

大変な躍進ですが、今から見ればつつましいものでした。
この時点ではまだ、手づくり感というか、
顔が見えるベンチャーというか、庶民感覚というか、
そういうものが色濃く残っていました。

三木谷社長はかなり太っていました。
1年前の開放的な雰囲気はなく、
緊張感が張りつめ、
会社全体がきりきりしていました。

企業取材で一番よくわかるのは
この雰囲気です。

オフィスの感じ、社員の働く様子
受け付けに出た社員の様子……。

こういったものを見るだけで
相当の情報が入ってきます。

直感的にわかること、感じることがあるのです。

460億円も集めて、一体それをどうするんだなどと、
マスコミであれこれ書かれるのだから無理もありません。

ほんの1年前までは、もっと大きくなりたい、
もっと成功したい、
もっと有名になりたいと素直に思っていたのに、
物事があまりにも急展開しすぎて
戸惑っているようにも見えました。

いきなり500億円近いおカネが入ってきたら、
あなたならどうしますか。

資本市場で集められたおカネですから
ただのように見えますがただではないのです。

衆人監視の上で預けられたおカネであり、
経営者はそれを使って、さらに増やすことを
求められているのです。
それができなければ叩かれるのです。

大半の人は思考停止になるのではないでしょうか。

平然とこれまでどおりに勤勉に、
アグレッシブに仕事を続けられるでしょうか。
タグ:楽天
posted by 高橋範夫 at 11:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月06日

企業取材の仕方4

話が四方山話的になってきましたが、
まあ続けましょう。

26人の会社を3年後、どうやって500人の会社にするのか。
そのときは想像もつきませんでした。

三木谷社長自身もそのときは明確にわかって
いたわけではないと思います。

けれども経営には時として
予想し得ないものに突き当たることがあります。
それが時流、時代の流れというものです。

楽天は翌年、2000年4月、
ITバブルの最中ジャスダックに上場したことで、
ブームにさらに火がつき、
信じられないくらいに急に有名になりました。

同時に通常の上場では考えられない
巨額の資金を手にしたのです。
その額、約460億円。
その9カ月前に社員数26人だった会社がですよ。

今思うと、それがブレークでした。
一番驚いたのは三木谷社長本人ではなかったかと思います。

「朝起きたら有名になっていた」という感じだったと思います。

経営的にはこれで勝負がついたようなものです。
なにしろ、毎年1億円赤字を出しても460年
食べていける資金を得たのですから。

サイバーエージェントも楽天の少し前に上場したのですが
同社も200億円を超える資金を得ています。

その後、勝ち組となったIT企業のほとんどは
このITバブルの時期に上場しているのです。

これが時流に乗るということです。
ちょっとしたタイミングの差が運命を
分けることがあります。

ですから1億円の企業と
1000億円の企業があったとして、
1000億円の社長の方が1000倍優秀か
というと、そんなことではないのです。

運も含めて、ほんの少しの差が
大きな差になっていくのです。
posted by 高橋範夫 at 11:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月05日

企業取材の仕方3

当時の楽天は、奥まったところにあり、
場所を見つけるのに苦労したくらいのオフィスだった。
たいそうな看板もなかった。
ドア横にパネルが貼ってあったと思う。

中に入ってみると非常にさわやかな感じがし、
いかにもベンチャーという雰囲気だった。
三木谷社長は当時三十四歳。
さわやかな青年社長という感じだった。
社長室もなく、一番奥の窓際の席に陣取っていました。

三木谷社長は、
日本一のネットモールであること、
アメリカの著名雑誌にも紹介されたことなどを
熱っぽく話しました。
意欲的ではあるけれども自然体でした。

「草ベンチャー」では終わらないのだ。
草野球のレベルで満足するベンチャー企業ではなく、
プロ野球、大リーグをめざす、
プロフェッショナルでありたいと強調していました。

ソフトバンク孫正義社長が表誌となっている
雑誌のバックナンバーを見せると
目を輝かせ、
「僕もこの表誌に写真が載るような経営者になりたい」
と言っていました。

当時の楽天は出店数七百店、売上高4億円から5億円
の会社でした。すでにある程度の成功はしていましたが
まさにこれからという時期でした。

「これは伸びるな」と直感的に思いました。
とはいっても、今のようになるとは想像もできません。

取材を終えて帰るとき、
三木谷社長はエレベーター前まで送ってくれました。

社員数を聞くのを忘れていたので聞きました。
「二十六人です」
三木谷社長はそう答えてから、
ちょっと考えて付け足しました。

「3年後には500人になっていますよ」

えっ、と思いました。

けれども真顔なので、法螺だとも思えませんでした。

帰り際のその言葉が一番印象に残った取材でした。

ところが、それから半年もしないうちに、
新聞や雑誌などで「楽天」という名前が
急に掲載され出したのです。

タグ:楽天
posted by 高橋範夫 at 09:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月04日

企業取材の仕方2

経営誌をやっていた頃は取材対象を選ぶのに苦労しました。
どの企業を取材するか。
これを決めるのはけっこう大変です。
雑誌は継続して出さなくてはいけませんから
常にアンテナの感度を敏感にし
あらゆるところから情報を集めます。

基本は日本経済新聞を読むことです。
これを読んでいると、今どんなベンチャー企業が
注目されているかわかります。

ただ日経に頻繁に名前が出るようになった企業というのは
もうすでにかなり有名になっているので
企業発掘という意味ではあまり新鮮味はありません。

それでも小さな記事がちらりと出始めたという中に
おもしろい企業があったりします。

日経などにほとんど出ていない企業から
将来伸びる企業を見つけて取材して記事にするのが
記者の醍醐味です。

では、その情報はどこから得るのでしょう。

まずは自分の身の回りから見つける方法があります。
記者もプライベートでは生活者・消費者です。
普段利用している店やサービスから
「ああ、この店はいいな。このサービスはいいな」
と思ったら、その運営会社を調べてみるのです。
するとけっこう有望なベンチャーだったりします。

もっと有望なのは、人からの情報です。
「○○という会社知っている」というような
情報はかなりいい情報であることが多いです。

私が楽天という会社を知ったのもそういう人からの情報でした。
まだ日経にも載らず、ネット系の専門誌に
ちらちらとその名前が出る程度の会社だった1999年のことです。

社名もエムディーエムから楽天に変えたばかりでした。
その情報提供者は、楽天のショッピングモールに加盟
していた居酒屋のオーナーでした。
初めは、本当にそんなに有望な会社なのかなと
思いながらも、私は中目黒にあったその
小さなオフィスに訪ねていったのでした。
タグ:企業情報
posted by 高橋範夫 at 09:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月03日

企業取材の仕方

ベンチャー企業の取材はとにもかくにも
社長に話を聞くことです。

社長が圧倒的な情報源ですから
社長に会い、話を聞かなければ話になりません。

社長に会って、1時間インタビューすれば
その会社のことは大体わかります。
あとは過去の新聞記事、パンフレット、資料などを調べます。

資料の基礎知識と社長の話
そして、訪ねた会社オフィスの様子などから
3ページくらいの記事は書けます。

もちろん、取材は多ければ多いほど
よい記事は書けますが、締め切りに追われているのが
現実ですから、最低限必要な取材ということです。

あと業種にもよりますが、
その会社が店舗を出しているなら、
その店舗を見に行く。

工場があるなら工場を見る。
というように、オフィス以外の現場を見る。
そして、その様子を描写すると
より記事に厚味が出ます。

飲食や小売などの店舗がある企業はわかりやすいですが、
最近はIT企業など
サービスが視覚的に見えなくて
直感的にわかりにくい企業が増えています。

こういう場合、
記者は勉強をして、
可能であればそのサービスを利用するなどして
よく理解する必要があります。

その意味ではIT企業の取材は
けっこう難しいです。

写真といっても店舗や工場がある企業と違って
パソコンの画面しかない場合もあり
絵的にも難しいです。

タグ:企業出版
posted by 高橋範夫 at 09:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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